触れなきゃわからぬものたち
- Masumi Kimura
- 5月6日
- 読了時間: 4分
5月3日:SOMPO美術館に「藤田嗣治 7つの情熱」展を観に行った。画家 藤田嗣治は結構好きで、過去に何度も展覧会へ行った事があり、家にある図録は2006年のものだった。約20年前というわけね。
図録を今再び読み返し始めていて(まだ全然読み終えないのだけど)、まず触れておきたいエピソードがある。
藤田がピカソのアトリエを訪れ、ピカソのキュビズムの作品やアンリ・ルソーの大作 ”女の肖像” を見て大きな衝撃を受け、「絵画は実にこうまで自由でなければならないのだ」と...自分の家に帰るや否や絵具箱を床の上に叩きつけてしまったというもの。
つい先日ある人と話していてちょうどそんな話題が出て「誰かの写真を見て、そういう衝撃って受けた事がある?」って聞かれたので、私はないなぁと言ったんだけど、その人はあるって。
そういう心を揺るがす瞬間っていうのは、アーティストには絶対必要だと思うんだけど、ごく稀に奇跡的に感じてしまう事もあるし、けれど大抵、のほほんと過ごしてたら気付かなかったりするとは思う。
だから私たちは心のセンサー全開にして、能動的に何かを感じようとしているのだ。
でね、今回の展示で私がメモした文章があって
「人間の裸体から新しい裸体を発見するのは難しいので、まず風景とか静物とか総て自然の心の沁み出ている静態から出始め、裸体画は7年間手に触れなかった」という藤田の言葉。
猫と裸婦というのが彼のトレードマークとなったモチーフなのだけれど、裸婦を描きたいがために7年間別の事描いてるって衝撃なんですけど!と思ったんですよね。
それをメモったその時は、ふむふむ確かに…私はそこまではできないけれども、ライブ写真や風景写真、ポートレート写真・・・いろいろ撮るのは勉強になってライブ写真だけ撮ってる人って上手くないもんなと腑に落ちたのであります。音楽だってロックやパンク、ブルース・・・いろんなジャンルを聴いてる人って凄いもんなぁって。
5月6日:たまたまインスタで知った素敵な写真家さんをフォローしていて、その方の展示が浦和の素敵なギャラリーで開催されていると知って伺ってきた。凄いよね、今の時代。SNSの良く無い部分って確かにあるけれど、逆に素敵な人と出逢えるチャンスもかなり増えた。それはやっぱり、ネット上で覗いているだけではわかり得ない事も沢山あると思う。
浦和に住んでいるカメラ仲間の顔が思い浮かび誘ってみたら、喜んで一緒に行ってくれた。
その写真家さんが今日は在廊していると知っていたので、事前にインスタで「伺います」とコメントを残しておき、ギャラリーでいろんな話を伺うことができた。
コミュ障気味の私一人では聞けなかったかもしれない。
ギャラリーや空間そのものも、一緒に展示されている別の方の作品も、写真家の彼の作品も、その人そのものも、素敵だった。
お話の中で最後に、そもそものきっかけが、そのギャラリーにあるアートブックや写真集を見るために通い始めたのがきっかけだったという話をしてくれた。自分は音楽も好きだけど、音楽もいろんなジャンルを聴いたりするのが良いと言われるように、自分の好きな物ばかりではなくていろんな本を見て刺激を受けているというような話を…。
3日前ちょうど考えてた事、リンクしてきたー。デジャヴだー。
そして今日ご一緒してくれたカメラ仲間は、前回のグループ展で仲良くなった同い年の子。
私ってやっぱり他人からみると変わってるみたいで...でも好きな人には凄く向き合うから(狭いけど)深くなれるんだと思う。なれない人とは一生なれないんだけど(汗)
そういう人との関わりっていうものを大切にできるようになったのも、写真を始めてからかもしれないなぁ…。
私のゴールデンウイークは、素敵なものに触れることができたまさにゴールデンなものでした。



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