8月5日という日
- Masumi Kimura
- 8月5日
- 読了時間: 2分
音楽は写真よりずっと力があっていいなぁと常々思っている。
たった1曲の音楽が誰かを号泣させる事はあっても、
たった1枚の写真におんなじことをできるとは思えないから。
だけど、誰かが星になってしまったとき、写真は目に見える形として、
その人をいつまでもそこに写してくれるという力がある。
2年前の2023年8月5日、DER ZIBETのISSAYさんが不慮の事故により急死してしまった。
私自身は竜二さんが主催のDAVID BOWIEイベントで少し関わらせて頂いた事があったけれど
やっぱり畏れ多いというか...このショックな気持ちや追悼の意を言葉にする気にはなれなかった。
その日からずっと、自分のインスタグラム(の最初の3枚のうちの1枚)にピン止め固定しているISSAYさんの写真は、2023年1月8日に原宿クロコダイルで撮影したライブの時のものだ。
笑顔が本当に素敵で、物腰のやわらかい人柄が表れているようで、ずっと残しておきたくて...
今でもやっぱり「Breaking Glass」を聴けば、ISSAYさんがリズムにノって歌い出すような気さえする。

このライブ撮影、自分の中では全然うまくゆかなくて、なんかもう撮りたくないやとか思った日だったけれど。
8月5日のあの日の後、インスタグラムを通じて奇しくも沢山の人に見てもらった1枚となった。
心の中でしか想い続けられなくなった時、写真は色褪せないのだと知った。
私の力というのではないけれど、誰かの頬をなでるような瞬間もあったのかもしれない。
周りの人の失望感とその他の諸々が重なって、
2024年も2025年もクロコダイルでのボウイイベントは行われていないし、
Tribute to David Bowie というのもどこかへ行ってしまったかようだ。
2022年12月17日のリハーサル風景
コロナ禍でみんなマスクをしている。
リハなのにISSAYさんのお召し物が素敵で「さすがや」って思った事とか。
ISSAYさんが近づいてくると、甘い香水の香りが漂ってきてすぐわかった事とか。
譜面台の拡げ方がわからない竜二さんに優しく教えてあげるISSAYさんとか。
差し入れで配られたリポビタンDを嶋田さんが落として床にぶちまけて大変だった事とか。
寒い中みんなで煙草吸いに外に行くのを遠慮がちに撮ってる自分とか。
いちいち覚えている。
私は他人と群れない方で、シャイなのですーんとしているように見えて、社会不適応者だけど。
心で感じた事をこれからも静かに撮っていこうと想う。
やっと少しだけ言葉にできた追悼の意を込めて
2023年1月8日のライブ写真はこちらから
2022.12.


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